リチウムイオン電池の過放電から復活!充電できないバッテリーを再生する安全な方法
この記事では、リチウムイオン電池の過放電から復活させる方法を紹介します。
過放電から復活させるには、長時間の充電、または短時間の充電を繰り返してみてください。
「バッテリーが死んだ」と思われるのは安全回路が働いたためで、完全に寿命を迎えていない長期間放置したリチウムイオン電池でも復活できることがあります。
さらに詳しい原因や対策法を知りたい方は、そのまま続きをご覧ください。
リチウムイオン電池はなぜ過放電で充電できなくなるのか?
リチウムイオン電池が充電できなくなる大きな要因の一つが「過放電」です。
ここでは、過放電になってしまう具体的な原因を解説します。
長期間使わず放置し電圧が低下したから
リチウムイオン電池は、長い間バッテリーを使用せずに放置すると、自己放電により電圧が徐々に下がります。
完全にゼロになる前に安全回路が作動し、それでも放置を続けると充電できなくなる状態になります。
このときに多くの方は「バッテリーが死んだ」と感じるのですが、実際には安全回路が作動し、一時的に充電できなくなっている状態に過ぎません。
充電と放電サイクルを繰り返してバッテリーが劣化した
リチウムイオン電池には寿命があり、充電と放電を繰り返すと、バッテリー性能が少しずつ低下します。
サイクル数を重ねるごとに内部の化学的変化が進み、電圧の保持能力が弱まるためです。
これにより過放電しやすくなり、一定以下の電圧に落ちた時点で充電できなくなる、いわゆるバッテリーの寿命です。
古い電池ほど過放電からの復活が難しくなる点を理解しておく必要があります。
高温や低温の環境下で保管したから
リチウムイオン電池は温度に敏感で、特に高温や低温環境での放置は劣化を早めます。
高温下では内部の化学反応が進みやすく、電解液や電極にダメージを与えます。
一方で、極端な低温ではリチウムイオンの動きが鈍くなり、充放電機能が低下するので、同じく注意が必要です。
こうした環境で放置されたバッテリーは短期間で過放電状態に陥りやすいため、復活が困難になると考えておきましょう。
過放電で充電できないリチウムイオン電池の復活方法
過放電によって充電できなくなったリチウムイオン電池でも、状態によっては復活が可能な場合があります。
ここでは代表的な方法を紹介します。
長時間充電したり複数回充電したりする
過放電したリチウムイオン電池は、安全回路が働いているため、充電器に接続してもすぐには反応しません。
充電器につないだまま長時間放置し、充電されるか試してみましょう。
場合によっては、少しずつ電圧が回復し、やがて充電が開始されるケースがあります。
また、短時間の充電と休止を繰り返す「複数回の充電」を試すのも有効です。
復活の可能性がある電池はこの段階で反応することが多いので、まずは短時間の充電を複数回行う方法を試してみてください。
定電流のトリクル充電やパルス充電を試す
通常の充電では起動しないリチウムイオン電池でも、微弱な電流を長時間流す「トリクル充電」や短い充電と休止を繰り返す「パルス充電」で復活させる方法があります。
これらの方法を試すと、セルの電圧が少しずつ回復し、充電器が再び電池を認識できるようになります。
ただし、専用の機材が必要となるので、一般的なやり方ではありません。
また、誤った設定で行うと発熱や破損のリスクがあるため、公式のサポートを利用するなど、専門家に任せたほうがいいでしょう。
冷凍して復活できるか試す
一部で紹介される「バッテリーを冷凍庫に入れると復活する」といった方法は、冷却により内部抵抗が一時的に変化し、電池が再び動作する場合があるのは事実です。
しかし、この方法は確実性が低く、むしろ結露や内部劣化を進めるリスクの方が高いため推奨されません。
どうしても試したいときは、自己責任で行ってください。
過放電のリチウムイオン電池が復活しない場合の対処法
復活を試みてもリチウムイオン電池が全く反応しない場合や、充電できてもすぐに電圧が落ちてしまう場合は、寿命を迎えている可能性が高いです。
ここでは、復活しないリチウムイオン電池の対処法について解説します。
公式サポートを利用する
まず検討したいのがメーカーや販売元の公式サポートです。
保証期間内であれば修理や交換を受けられる可能性があるので、活用しましょう。
プロのサポートを得る方法は、自己流の復活作業よりも安全かつ確実です。
また保証が切れている場合でも、有償で修理や診断を依頼できるケースがあります。
製品によっては公式が推奨するリサイクル窓口もあるため、まずは問い合わせてみてください。
買い替えを検討する
バッテリーは消耗品であり、ある程度使用すれば必ず寿命を迎えます。
リチウムイオン電池であれば、500回程度が寿命であり、2〜3年で劣化します。
復活の見込みがない場合は、無理に使い続けるよりも新しいバッテリーに買い替えたほうが安全で効率的です。
ノートPCやスマートフォンのように使用頻度が高いデバイスでは、1〜1年半で寿命に達しやすいので、新品に交換して性能も回復したほうが利便性の面でもおすすめです。
古いバッテリーは適切に廃棄する
使用できなくなったリチウムイオン電池は、必ず適切な方法で廃棄しましょう。
一般ごみとして捨てるのは危険で、発火や環境汚染の原因になります。
多くの自治体や家電量販店にはリサイクル回収ボックスが設置されており、無料で引き取ってもらえるので、事前に確認してください。
また、ポータブル電源メーカーによっては、送料は自己負担ですが、無料回収してくれます。
リチウムイオン電池を長持ちさせるためのコツ
リチウムイオン電池は使い方や保管方法によって寿命が大きく変わります。
ここでは、リチウムイオン電池を長持ちさせるためのポイントを紹介します。
充電は40〜60%で止める
バッテリーを満充電の100%や、ゼロ%近くまで使い切る使い方は、内部に大きな負担がかかるため、繰り返し行うのは避けてください。
もっとも劣化を抑えられるのは、残量を40〜60%程度に保つことです。
長期間保管する場合は残量を40〜60%程度の残量で充電を止めておくと、セルのダメージを最小限に抑えることができます。
スマホやノートPCなど日常的に使う機器でも、残量を40〜60%程度の充電習慣を意識し、寿命を伸ばしてみましょう。
長期間放置せず定期的に充電して使う
リチウムイオン電池は放置すると自己放電が進み、気づかないうちに過放電状態に陥ります。
防災用として買ったポータブル電源でも倉庫にしまいこまないで、数週間〜数か月に一度は必ず充電し、定期的に使用するようにします。
また、長期間使用しない場合でも電池を完全に空にせず、ある程度の残量を残した状態で保管しましょう。
過放電のリチウムイオン電池に関するよくある質問
ここでは、リチウムイオン電池を使ううえで知っておきたいことを数種類紹介します。
Q: リチウムイオン電池が過放電するとどうなりますか?
A: 電圧が下限を下回り、充電器が電池を認識できなくなります。
その結果、通常の方法では充電できず「電池が死んだ」と感じる状態になります。
Q: 冷凍庫に入れるとリチウムイオン電池は本当に復活しますか?
A: 一部で効果があったという報告はありますが、確実性は低く、結露や劣化を進めるリスクが高いため推奨されません。
Q: バッテリーが膨張している場合でも復活方法を試せますか?
A: 膨張や液漏れなどの異常が見られる場合は危険です。
復活作業は行わず、すぐに使用を中止して廃棄またはリサイクルに出してください。
過放電のリチウムイオン電池の復活方法のまとめ
この記事では、過放電で充電できなくなったリチウムイオン電池の復活法を紹介しました。
まずは、短時間充電させ休ませる方法を、何度か試してみてください。
単に安全回路が働いただけで、寿命を迎えていないリチウムイオン電池なら、復活できます。
ただし、冷凍するような裏技はさらに劣化させる可能性もあるので、復活できないときは、専門家のサポート受けるか、適切に廃棄するようにしてください。