リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットとは？価格や寒冷地の問題について解説
この記事では、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットを解説します。
リン酸リチウムイオンバッテリーは安全性や長寿命で注目される一方で、寒冷地で性能が落ちやすいことや重さ、価格の高さといったデメリットがあります。
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リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリット
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性や寿命の長さで評価されていますが、決して万能ではありません。
ここでは代表的なデメリットについて解説します。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリット①：寒冷地に弱い
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、氷点下のような寒冷地環境で性能が大きく落ちやすく、通常より短時間でバッテリー切れを起こすデメリットがあります。
気温が低い環境での使用は、内部抵抗が増加するため、出力が低下し、充電時間も長くなる傾向があります。
特に気温0℃前後では、充電効率が悪化し、満充電までに通常より時間がかるので、注意が必要です。
このようなデメリットから、寒冷地でリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用する場合は、ヒーターによる温度管理や、利用前にバッテリーを温めるなどの工夫が求められます。
氷点下に達する地域では、暖房の効いた室内で使用するのが最適であり、車中泊では保温性のあるもので包むなどの対策が必要です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリット②：重たい商品が多い
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、他のリチウムイオン電池と比較してエネルギー密度が低いので、同じ容量を確保するためにサイズや重量が大きくなりがちです。
そのため、大容量タイプでは製品が重くなり、ポータブル用途では持ち運びが不便に感じられるでしょう。
特にアウトドアや車中泊で使う場合には、重さは大きなデメリットです。
また、女性が持ち運ぶことが想定される家庭では、大容量の重たいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは使いにくくなります。
ただし、近年では軽量化されたリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使った商品も増えているので、必ずしも大容量が選びにくい分けではありません。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリット③：価格が高い
原材料は比較的安価ですが、製造工程に特殊技術が必要なため、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは市場価格が高めに設定される傾向があります。
初期投資が大きいため、短期間での利用目的ではコストパフォーマンスが悪く感じられるでしょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは10年ほど使える超寿命が特徴なため、防災や長期使用を前提とする人には適していますが、コストを重視する人にとってはデメリットとなり得ます。
ただし、近年ではリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが主流になりつつあり、多数のメーカーでの価格競争も起きている特徴があります。
そのため、三元系リチウムイオン電池と同等の価格か、さらにセールで安く買える場合もあり、価格の高さはさほど大きな問題にはなりません。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー使用法によるデメリット
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは正しく扱えば長寿命で安全性も高いですが、使用方法を誤ると性能劣化を早めたり、安全性に影響を与えることがあります。
ここでは、日常の使い方で注意しておくべきデメリットを解説します。
充電しながら使用するとバッテリーが劣化しやすい
充電しながら電気製品を使う、いわゆるパススルー利用は便利ですが、バッテリーに負荷を与えやすい使い方なので注意が必要です。
パススルーでは、常に充放電を繰り返す状態になるため、内部の劣化が進みやすくなります。
高出力の機器を同時に使用すると発熱も増え、寿命の短縮につながる可能性があります。
パススルー機能を使う際は、必要な時に限定して使用するのが望ましいでしょう。
本来パススルーは、停電時でも冷蔵庫に電気を供給するのに便利な機能で、不在時の万が一でも対応できる安心感がありますが、「本当に必要なのか？」は考える必要があります。
共働き家庭で、週に1回の買い物しかしておらず、冷蔵庫に大量の食材が入っている家庭では、停電時に食材を無駄にしないよう、多少のデメリットがあってもパススルーを使うメリットがあると言えます。
車内放置でバッテリーが劣化しやすく安全性が低下する
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは三元系リチウムイオン電池よりも熱に強い性質がありますが、それでも真夏の車内は高温になりやすく、バッテリー内部に大きな負担をかけます。
長時間車内に放置すると、劣化が早まるだけでなく、膨張や性能低下のリスクが高まります。
冬場でも極端な低温下にさらされると、充電効率が悪化しやすいです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを安全に使うためには、45℃以上の高温や低温の環境で放置することは避けたいので、車中泊で長時間車から離れる方には向いていない可能性があります。
どうしても真夏の車内に置いておく必要があるときは、60℃まで耐えられる固体電池を選んだほうがいいかもしれません。
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急速充電でバッテリーが劣化を早める可能性あり
急速充電は短時間で多くの電力を蓄えられる便利な機能ですが、電池内部に大きな電流が流れるため、通常の充電に比べて劣化が早まりやすい傾向があります。
頻繁に急速充電を繰り返すと、バッテリー容量が徐々に低下し、寿命が短くなる可能性があります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを長く使いたいなら、緊急時や短時間のみに急速充電を行い、日常的には通常充電をメインにするとよいでしょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの誤解と注意点
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性の高さや液漏れしにくい特徴から人気がありますが、誤解されがちな点も少なくありません。
ここでは注意すべきポイントを解説します。
発火しないのではなく「燃えにくい」に過ぎない
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは三元系バッテリーに比べて熱暴走が起きにくく、発火リスクが低いのは事実です。
しかし「絶対に発火しない」わけではなく、誤使用や異常時には火災に至るケースも報告されています。
安全性は高いものの、過信せず適切な管理を行うことが大前提です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの過充電や、極端に暑い環境では、燃えることはなくても煙が上がることはあります。
液漏れしにくいが絶対ではない
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは構造的に安定しているため液漏れは起こりにくいですが、過充電や物理的な破損があれば液漏れのリスクがあります。
長期保管使わずに放置した場合や、や外部から強い衝撃を受けた際には注意が必要です。
液漏れは機器の故障や感電につながる可能性もあるため、保管環境や取り扱いには十分気をつける必要があります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはどんな人に向いている？
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーにはデメリットもありますが、その特性を理解して使えば非常に頼もしい電源になります。
ここでは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーをすすめできる利用シーンを紹介します。
暑い時期の車中泊やアウトドアを楽しむ人
夏場に車内で電源を使うと、内部温度が高くなりがちです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは高温環境に強く、三元系リチウムイオン電池よりも熱暴走のリスクが低いため、安心して使用できます。
夏にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがあれば、扇風機や冷却機器、調理家電などを使う場面でも安定した電力供給が可能です。
車中泊やキャンプで「高温下でも安心して電源を確保したい」という人には、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはぴったりの選択肢でしょう。
車中泊で使用するときは、以下の温度が推奨です。
- 充電時：0℃～45℃
- 放電時（使用時）：-20℃～60℃
- 保管時：-20℃～60℃（理想は20℃前後）
真夏の車内は60℃を超える場合があるので、車内に放置する使い方は避けてください。
防災用として長期間利用したい人
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは充放電サイクルに強く、三元系リチウムイオン電池は500回なのに対し、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは2,000～4,000回と寿命が長いのが特徴です。
さらに、AIを利用して6,000回サイクルまで使えるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー商品も出てきているので、長く使いたい方には特におすすめできます。
防災用の非常電源として長期的に備えたい人にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが適しており、定期的に点検しつつ使えば、災害時でも安心して電力を確保できるメリットがあります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめ商品3選
ここでは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用のおすすめ商品を3つ紹介します。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットを解消できる特徴の商品を厳選しました。
リン酸鉄リチウムオンバッテリーおすすめ①：Anker Solix C300
引用：Anker
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは大きくて重いというデメリットがありますが、アンカーのSolix C300は、コンパクトで持ちやすいサイズが特徴です。
肩掛けストラップが付いた商品は他社では見かけないので、アウトドアで持ち運ぶシーンに、Solix C300があると便利でしょう。
持ち運びやすい特徴から、災害用の持ち出し袋に入れておく電源としてもおすすめです。
288Whと容量は小さめですが、スマホやLEDライトの充電くらいなら十分な容量で、避難先や車内の生活でも邪魔にならないメリットがあります。
リン酸鉄リチウムオンバッテリーおすすめ②：EcoFlow DELTA 3 Plus
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの重さのデメリットを解消したい方には、エコフローの商品がおすすめです。
エコフローには「X-Boost」という独自の機能があり、定格出力を超える家電の電圧を下げる機能が便利です。
2000W対応のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは20kgと重くなり利便性が低くなりますが、エコフローの1500W対応製品で、X-Boostにより2000Wまで使えると、約12.5kgの重さでよくなります。
リン酸鉄リチウムオンバッテリーおすすめ③：Jackery 500New
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの寿命をさらに伸ばしたい方には、Jackery 500Newがおすすめです。
一般的に、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは2,000回～4,000回の使用ですが、500Newは6,000回まで使える超寿命タイプです。
500Whとコンパクトサイズのため、5.7kgと軽く女性でも持ち運べるメリットもあります。
定格出力が500W、瞬間最大出力1000Wと電子レンジやエアコンは使えませんが、軽さと持ち運びを重視する方にはおすすめです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットのまとめ
この記事では、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットを複数紹介しました。
寒さに弱い、重たい、価格が高い、この3点が、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの主なデメリットです。
しかし、近年ではリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが主流になりつつあり、各メーカーの価格競争も影響し、重さや価格のデメリットが解消された製品もあります。
燃えにくい安全性や超寿命を重視するなら、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーがおすすめなので、ぜひ紹介した製品の公式サイトをチェックしてみてください。
